
前回、董卓軍の猛将・華雄を討ち取った連合軍は
軍を二手に分けて董卓のもとに向かうことになりました
■虎牢関の戦い

昨日の戦いは敵将・華雄を破る大勝利であった!
ここで水関だけに兵を割いていてはもったいない
よって、ワシ、曹操、公孫サンの部隊は虎牢関を攻める!
ここを落とせば董卓まであと少しじゃ!

・・・というわけで我々は虎牢関を攻めることになった
難攻不落で知られる上、水関で大敗している以上
董卓も今まで以上に警戒を強めるはず。気の抜けない
戦いになるだろう

まぁ出発前に深く考えないで向こうに
行ってから考えましょう。出発〜!

・・・お前は一応俺の副将なんだから
頼む、もう少し色々と考えてくれ・・・

こうして曹操、袁紹、公孫サン(と劉備様)たちの部隊は
虎牢関を攻めることになりました。そこで連合軍を待ち受けて
いたものは・・・

美女?

・・・それはないですね。とにもかくにも数で勝る
連合軍は戦いを有利に進めました。が・・・
ドォオオオリャア!
チョオオオオリャア!

はーっはっは!何だ、大したこと無いではないか!
兵の数、士気、統率するものの名門度、全てにおいて
圧倒的じゃないか我が軍は!

解せん・・・

む、どう見ても我ら優勢で戦は進んでおるではないか?
あと数日もあれば虎牢関を落とせそうな勢いですが?

水関で大敗を喫したにも関わらず、ここ虎牢関には援軍が来た
様子も防備を固めた様子も見られん。我らがここにつくまでに
時間は十分にあったはず・・・斥候の話では数日前に数十騎の
兵が援軍に来ただけだという

わはは、まさか袁紹自ら15万の大軍を率いてくるとは思って
おらず甘く見ておったのだろう!董卓も名門の発想には
敵わんかったということだ!そろそろ日が落ちるな。今日の
攻撃はここまでとしよう。全軍に退却の指令を・・・
ば、化け物だ!
逃・・・げふっ!

な、なんじゃ!?
突然、兵が騒ぎ始めたぞ!

ご、ご注進、ご注進!あ、悪魔が・・・
・・・前線の兵は・・・ぜ、全滅、!

落ち着くのじゃ!
一体何があった!

ぜ、前線で戦っていたところ、虎牢関から見たことも無い将が
出てきまして・・・一瞬の内に前線の兵を・・・み、皆殺しに!
血のように赤い馬に乗り、黒い甲冑に身を包んだ・・・か、華雄が
可愛く見えるほどの化け物・・し、死神ですた!

な、何だかわからんが、報告ご苦労!
袁紹殿、前線が謎の敵将によって壊滅状態に
なったようです。後方の兵に動揺が伝わる前に
全軍退却の指示を・・・
ゥワァアアア!

何だ、一体何が起こっている!?
・・・血のように赤い馬、黒い甲冑・・・あいつか!

・・・我ハ飛将軍・呂布奉先
華雄ヲ一撃ノモトニ斬リ捨テタト言ウ
袁本初ト一騎打チヲ所望スル

え、わ、ワシ!?華雄を葬った!?
あ、あやつ何を勘違いしておるのだ!?
華雄を斬ったのは兵卒の・・・関ナントカじゃ!
ワシじゃないぞ!

・・・な、なんという禍々しさ・・・袁紹殿、
す、すぐに全軍退却の命令を!

あわわ、え、えらいこっちゃ・・・

袁紹、うろたえてないで指示を出せ!
ええぃ、全軍、その将を包囲・・・
ギャァアアア!

袁紹以外、用ハ無イ
雑兵ハ失セロ

くそ、ま、まるで歯が立たん!
袁紹、将を呼び戻している時間は無い!
ここは一旦、逃げるべき・・・

曹操殿、袁紹殿は既に逃げた!
我々も逃げるぞ!

・・・退却の判断だけは一流だな袁紹!

わくわくする存在が出てきましたね!
反骨武将の憧れ・呂布先生ですな!

・・・憧れないでくださいよ。この呂布という将は
すぐに人を裏切ることで有名でした。が、強い!
半端じゃなく強いのです。呂布の出現により連合軍は
壊滅の危機に陥ることになったのです

前回の華雄の件といい
連合軍弱いなぁ・・・

確かに情けない場面が多いですね・・・
何はともあれ呂布によって連合軍は壊滅状態
総大将の袁紹が呂布に追われるという最悪の
状況になってしまったのです

あわわ、名門史上最大の危機!
め、名門の辞書に「退却」の
二文字は無いが・・て、「撤退」じゃぁ!
見つかる前に逃げ切るの・・・

袁紹
見ツケタゾ!

見つかった!
は、走れ黄金号!
全力で逃げるのじゃぁぁぁ!

むっ、本陣周辺の兵が次々と逃げておる!
長兄、本陣で何かがあったようで・・・
い、いかん、総大将が敵に追われています!

あの辺りには益徳(張飛)がいたはずだが・・・
ここは私がまとめる!すぐに救援に向かうんだ!

御意!
くれぐれもご注意くだされ!

全速力で逃げる袁紹でしたが恐ろしいぐらい
あっけなく呂布に追いつかれてしまいます

見苦シイゾ袁紹
潔ク我ト勝負シロ!

あわわ、なんじゃあの馬の速さは!?
ロケットエンジンでも積んでるのか!?
そうか、赤い馬だから3倍速いとかいう
オチなんだな!?だ、誰か・・・
【赤兎馬】
董卓から呂布に譲られた稀代の名馬。全身が
燃えるように赤く、一日に千里を走ると謳われた

益徳!総大将の袁紹殿が
こちらにこなかったか!?

関羽、なんでこんなところに?
名門の総大将?
こっちには来てな・・・
タスケテ〜

あの情けない叫び声!
益徳、向こうだ!
袁紹殿が危ない!
■武の化身

華雄ヲ斬ッタトハ思エヌ腰抜ケップリ・・・
興冷メダガ、見逃スワケニハイカン。首ハ貰ウゾ袁紹

待てい、武人よ!
関羽雲長が袁紹殿に代わり勝負を所望する!
水関で華雄を斬ったのはこの私だ!
さぁ袁紹殿、後ろにお下がりくだされ!

万夫不当の豪傑、燕人・張飛参上・・・
って・・・なんじゃこの化け物は!
・・・名門の大将、あんたじゃ勝てねぇ!
ここは俺達に命預けて、後ろで震えてな!

な、兵卒風情がワシに向かってなんという
口の聞き方じゃ・・・ワシは名門・袁家の・・


やかましい!
助かりたかったら黙ってろ!

ひいっ!
わ、わかりました!

こうして関羽と張飛の二人がかりで呂布に
挑むことになったのですが・・・

益徳と二人がかりで防戦一方とは・・・
なんという強さだ!まさかこれほどの
豪傑が存在するとは思わなんだ!

へっ、俺はまだまだ本気じゃねぇぞ!
ここから怒りの酔いどれナックル10連発だ!

連合軍ハ雑魚バカリダト思ッテイタガ・・・
コレホドマデニ骨ノアル武将ガイタトハ
簡単ニクタバッテクレルナヨ・・・ヌ!?
ドドドドドドド!

な、なんじゃ・・・おお、曹操!
こっちじゃ!早く助けろ!

(ちっ、生きていたのか袁紹)
助けに来たぞ、間に合ってよかった(棒読み)

なんじゃその棒読みっぷりは!
早く助けろ!ついでにそこの野良犬武将を
とっとと始末しろ!

・・・

(なんだ生きていたのか・・・)
袁紹殿、遅ればせながら加勢に参った(棒読み)

公孫サン、来るのが遅いわ!
実はワシなんかどうでもいいと思ってたな!?

・・・

(・・・なんですかこの化け物は!?)
袁紹殿、助けに来ましたぞ(棒読み)
の、農民の希望の星・劉備玄徳参上!
さぁ、かかってこ・・ないほうがお前の身の為だぞ!

ど、どいつもこいつも棒読みばかりじゃ!
・・・っていうかお前は誰じゃ!

・・・

さ、さぁかかってこ・・・ないほうがいいぞ!
・・・あれ?あの黒い武将はどこいった?

無視され続けたのがさみしかったのか
ふてくされて帰っていきましたぞ

ば、馬鹿者、単純にこの大軍に恐れをなして逃げたに
きまっておるだろ!お前達、何をのほほんとしておるのじゃ!
あの野良犬を何故追わんのじゃ〜!

袁紹殿、部下の疲弊が大きい上、この暗闇の中を追撃するのは
危険です。加えて関羽、張飛と互角の豪傑。雑兵ではいくら
出しても相手になりませぬ。軍の再編もあります。とにかく
戻りましょう
■数日後・・・

【斥候】た、大変です!虎牢関には猫の子一匹おりませぬ!
それどころか・・・ら、洛陽が火の海になっていると
報告がありました!

なんだと!?ど、どういうことだ!
洛陽には董卓が居座っているはず・・・
水関を攻めていた部隊が攻め込んだのか!?

そ、それが・・・董卓が自ら火を放ち、長安に遷都
しました。数十万の民、公卿などが長安に移るため
大移動しているようです!虎牢関の将もすでに董卓の
もとに逃げた様です!

な、なんということをしおるのだ!
急げ、全軍、洛陽に急ぐのだ!

呂布との戦いの数日後、とんでもない事件が起きます
董卓が都・洛陽に火を点け長安に遷都したのです
呂布が守っていた虎牢関も、もぬけの殻になっており
連合軍は洛陽に到着することができたのですが・・・

・・・ものの見事に何も残ってねぇな

・・・何ていう事を・・・

劉備、関羽、張飛・・・反董卓連合軍はたった今
解散が決まったぞ。俺は国に戻ることにする
お前達はどうする?

な・・・董卓を倒してもいないのに解散ですと!?
都に火を点け遷都までした董卓をこのまま
おめおめ逃がすというのですか!

諸侯も長く国を空けるわけにはいかんということで
先程、決定したことだ。悔しいが、我々だけでは
戦うことはできん。また何かあれば集まることも
あろう。今は・・・国に戻るぞ

むぅ・・・

関羽、我々も戻るとしよう。今の我々だけでは
どうしようもない・・・しばし耐えるのだ

・・・仕方ありませんな。董卓も討てず、帝も民も
この洛陽からいなくなってしまった。中華の大乱
行き着く先が見えませぬな・・・
【簡単な説明】
都への第一関門・水関で華雄を破る大勝利を収めた
反董卓連合軍は軍を2つにわけて虎牢関に進んだ。
虎牢関で反董卓連合軍は武神・呂布の前に手も足も
出ず、足止めを食う。その間に董卓は都に火を点け
遷都という暴挙に出てしまう。連合軍が洛陽に到着
した時にはそこは廃墟と化していた。ここで反董卓
連合軍は解散。劉備一行も平原に戻ることになる
さぁ続きを読もう!
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