■董卓の死
ドスッ!

グフッ・・・リ、呂布
アレホドノ恩ヲカケタワシヲ裏切ルカ・・・

・・・

董卓よ、漢の天下を乱した罪は重いぞ!
民の恨みをその身をもって味わうがいい!

ク、クク・・・ワシヲ殺シタトシテモモハヤ
漢ハ終ワリダ。ココカラハ群雄ドモガ覇ヲ競ウ
乱世ガ訪レル・・・ク、ククク・・ク、グフッ!

・・・

あわわ・・・いきなりの急展開!
さすがは呂布先生。仲良しだったはずの
董卓をあっさりと斬り捨てましたぞ

ええ、漢の重臣・王允が美女連環の計を用いて
董卓と呂布を仲違いさせたのです。この後、王允は
呂布も都から追放。天下に一時的に平和が訪れることに
なります。そんなころ劉備様は・・・
■劉備、徐州へ

公孫サン殿、急な用事とは
何でしょうか?

うむ、徐州で大事件が起きた。曹操殿の父親が
徐州で殺害された。曹操殿がその報復として
徐州に攻め込んだのだ。徐州の民草にもかなりの
被害が出ておる

【公孫サンの部下】曹操殿の怒りは凄まじく、徐州の
人間というだけで老若男女関係無く殺害されていると
報告がありました。その徐州から我々に救援の要請が
来たのです

民草にまで手を出すとは!
見過ごせませぬ。すぐに救援に向かうべき!

うむ、しかし私が出て行けば領土拡大を狙う袁紹がここを
攻めてくる可能性があるのでな。私が直接出向くわけには
いかんのだ。そこで劉備よ、私の代わりに徐州に救援に
行ってはくれないか?

引き受けましょう。民草に被害を及ぼしているとなれば
見逃すわけにはいきません。庶民の希望の星、農民の
気持ちのわかる男NO.1こと劉備玄徳が曹操殿の暴走を
止めてみせましょう

う、うむ
頼んだぞ

・・・・と、いうわけで我々が来たわけなのですよ
で、徐州太守の陶謙殿、他の国の救援はどこにいるのです?

【陶謙】いや、来てくれたのは君達だけじゃ・・・
皆、曹操殿を恐れて来てはくれなかった
来てくれた君達には悪いが、すぐに引き返すといい
ここにいては君達も危険じゃ

民の苦境を見逃すことはできませぬ
我等は最後まで戦いぬきますぞ

【陶謙】いや、君達のような義を持った人物を死なす
わけにはいかん。最後の手段じゃ。ワシの白髪首を
曹操殿に差し出して曹操殿の怒りを鎮めよう
どうせ病の身、もう長くは無いのでな・・・

お待ちください。曹操殿は頭の切れる人物です
私が和睦の手紙を書いてみましょう。さて、
ちょいちょい、と・・・・この手紙を関羽・・・

がはは、俺が行きますよ!

ああっ、待て〜!
・・・も、最も使者に向かない奴が
持って行ってしまった・・・

・・・城を枕に討ち死にの用意・・・
したほうがいいかもしれませんな
■使者・張飛

徐州の使者・張益徳参上じゃぁ!
書簡を持ってきた!曹操でてこいやぁ!

・・・と、先程、徐州側から使者(?)がやってきました
この手紙を殿に渡せとわめくので手紙を受け取り、
使者は別室に待機させております

降伏の手紙か何かか?
とにかく見せてみ・・・
・・・な、なんだこれは!


「曹操殿のお気持ちはわかりますが、民を苦しめるのは
真の君主たるものの行動ではありません。ここは一つ
怒りを鎮められ国にお戻りくだされ」 劉備 だと
・・・劉備如きがなめおって!

【曹操の部下】どれどれ・・・・
(ど、どこにそんなことが書いてあるかわからん!)

ええぃ、今すぐ使者の首を斬り、
全軍で徐州を叩き潰し・・・

【斥候】(小声で)はぁはぁ・・・と、殿
一大事、一大事です!エン州(曹操の本拠地)が
呂布に襲われました!このままではエン州を奪われて
しまいます!

あの凶獣我が国を襲うとは!
董卓殺害後に王允によって都を追われ
あちこちを放浪しているとは聞いていたが・・・
国を空にしたのがまずかったか!

【曹操の部下】ここは和睦に応じるふりをして
エン州に引き返しましょう!今ならまだ間に合います!

そうするしかあるまい!
すぐに出立できるよう全軍の用意を整えておけ!
余は徐州の使者と話をつけてくる!

【曹操の部下】御意!

使者よ、待たせてすまなかった
・・・劉備殿の申す通りだ。此度のことを
曹操、大いに反省し、国に戻ることにしたと
伝えられよ

・・・なんと、てっきり戦になるものと思ってましたが
承知しました。それでは張益徳これにて御免!

これで、追撃の恐れは無くなった・・・
全軍、すぐにエン州に戻るぞ!

徐州を攻めていた曹操の本拠地を呂布が攻撃したのです
この結果、曹操は本拠地であるエン州に引き返さざるを
えなくなりました。このままでは全滅必死だった徐州は
これによって難を逃れる形になったのです

おお、さすがは劉備様!
強運の星のもとに生まれておりますな!

しかもです。各地の諸侯が曹操を恐れ、徐州に救援を
寄こさなかった中、唯一やって来た劉備様。徐州太守の
陶謙はこの行動に深く感動したのです。そして・・・

【陶謙】・・・おお、劉備殿よく来てくれた・・・
曹操殿に殺されるのは免れたが、さすがに病には
勝てんようじゃ・・・ワシももう長くは無い・・・
そこで君に話があるのじゃが・・

何でしょうか?

【陶謙】・・・君にこの徐州を継いでもらいたい
すでに息子にも、武将たちにも相談済みじゃ・・
君は優しさと勇敢さを兼ね備えた人物・・
君のような人物に、徐州を治めてほしいのじゃ

わ、私が優しさと勇敢さを兼ね備えたバファリンのような
人物なのは事実ですが、私はあくまでも客将の身・・・
そのような話を突然、されましても・・・

【陶謙】・・・ならば劉備殿、1日考えて返事を聞かせて
くだされ。ワシの命、それ以上は持ちませんのでな

陶謙殿・・・
■翌朝・・・

【陶謙の部下】劉備殿!劉備殿!
太守の容態が急変しました!
急いで太守のもとに!

わ、わかった。すぐに参る!
関羽、張飛、すぐに用意をするんだ!

おう!
・・・で、陶謙への返事は決めたのか?

む、むぅ・・・まだ迷ってる・・・
このまま徐州の太守になっていいものなのか・・・

こういう良い話のときに限って決断力が無ぇ!
まったく・・・関羽、何ぼ〜っとしてやがる!
陶謙のとこ行くんだからとっとと支度しねぇと・・・

・・・長兄、益徳、外を・・・!
わあぁぁぁあ!
劉備様〜!

ああん?
・・・・な、なんじゃこりゃ!?



【徐州の民】劉備様、徐州の太守になってくだせえ!
【徐州の民】劉備様、オラたちの生活を救ってくだされ!
【徐州の民】り、劉備タン、'`ァ '`ァ (;´Д`) '`ァ '`ァ!

こいつら・・・どこから聞いたのか知らねぇが・・・
決まりだな!ここまでやられちゃ断れねえぞ

長兄、昨日の陶謙殿の話
結論はでましたかな?

・・・最初は断ろうと思っていたが今、この民の声を
聞いて決意した。陶謙殿の後を継ぎ、徐州の太守になる!

おお!
決意なされましたか!

うむ、今まで我々は力無き故に軽んじられ、理想あれど
何もできなかった。漢王朝復興、民が笑ってくらせる政治の
実現のため、徐州を譲り受けちゃうぞ!

おおお・・・・兄者が輝いて見える!
兄者について来てはや数年・・・やっと
自分達の土地が手に入った・・・うぅ
目からしょっぱいものが・・・

泣いてる暇は無いぞ益徳!
陶謙殿に会いに行くぞ!
■徐州太守・劉備

【陶謙】おお、劉備殿・・・来ていただけましたか
昨日の約束・・・お聞かせ願えますかな?

陶謙殿、この徐州
劉玄徳がお預かりしますぞ!

【陶謙】おお!引き受けていただけるか!
こ、これで思い残すことは何も無い・・・
劉備殿、それでは徐州の民、任せ・・・
ましたぞ・・・

陶謙殿・・・確かに徐州を
お預かりしました!
安らかにお眠りくだされ・・・

い、いきなり徐州太守!?
太守はどれぐらい偉い
お仕事なのですか孔明先生?

漢は13州のうちの一つ、徐州のトップです

むしろ売り→漢軍義勇兵→田舎の警察署長→無職→
公孫サンの客将→徐州太守・・・
いきなりの超大出世じゃないですか!

ええ、領土を持っていなかった劉備様にとって始めて
自分の領土なのですよ。こうして徐州という大きな領土を
得た劉備様ですが、次回、その徐州にとんでもないものが
転がり込んでくることになるのです。今回はここまで
【簡単な説明】
世を混乱の極みに陥れた董卓は腹心の部下である
呂布の裏切りであっけなく世を去った。その後
曹操が徐州を全軍で攻撃する事件が起き、劉備は徐州に
救援に向かう。この時、呂布が空き家同然のエン州
(曹操の本拠地)を襲うという幸運に恵まれ、劉備と
徐州は難を逃れた。さらに徐州の太守・陶謙が「劉備に
徐州を譲る」と遺言を残し、死去。劉備は徐州の太守と
なったのである。タナボタである
さぁ続きを読もう!
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