曹操暗殺計画






で、こんな朝早くから、もぐもぐ、曹操殿
一体、何の御用なのでしょうか?、もぐもぐ
何か重大な事件ですか!?もぐもぐ、徐州に
戻ることができるのですか?もぐもぐ、おかわり!





うむ、色々な手続きがあるので君が徐州に戻るのはもう少し
かかりそうなのだが、君の話を聞いた陛下が君に会いたいと
申されてな。急で悪いが今から陛下に会いにいくぞ





もぐもぐ、陛下に会いにいくというわけですな
すぐに支度・・・、もぐもぐ・・・へ、陛下?
ま、まさかそれは漢帝国の皇帝陛下の
ことでしょうか?お、おかわり?






うむ。その漢帝国の皇帝陛下が君に会いたいと
すぐに用意をしてくれたまえ






あ、あわわ・・・とんでもないことになってしまった
田舎者だとばれないようにせねば・・・










こうして劉備様は皇帝陛下と接見することになるのです
そしてこの時、劉備さんの放った一言が色々と波紋を起こす
ことになるのです






(皇帝に向かって)「金髪豚野郎」とかですか?







問題発言のレベルを超えてますね
とにもかくにも話を進めましょう










おお、お主が曹操と協力し呂布を倒した劉備か!
実力と強運を兼ね備えた勇者だと曹操から話を
聞いておるぞ






お、お褒めにあずかり光栄にございます
わ、私が実力と強運と優しさと聡明さを
兼ね備えた歌って踊れる勇者・劉備玄徳です






そこまで褒めたつもりは無いが・・・そちは朕と同じ
劉性だが、そちの先祖はどこの生まれの誰なのじゃ?






祖先は中山靖王・劉勝の後胤にして景帝の玄孫にあたり
私、玄徳は劉雄の孫、劉弘の子でございます





ざわ・・・ざわ・・・





【重臣】そ、それが事実なら皇族ではないか!
【重臣】馬鹿な、そんな高貴な人間には見えん!
【重臣】劉備殿、それには何か証拠がございますか?







・・・残念ながら証拠は無いのですよ
ですが・・・






・・・ですが?







ゲントク、ウソツカナイ






ざわ・・・ざわ・・・





【重臣】証拠も無しになんと大胆なことを!
【重臣】し、しかしなんという説得力!
【重臣】い、いや、騙されてはいかん!






むぅ、お主が本当に中山靖王の末裔かはわからぬが
朕はお主を気に入ったぞ。玄徳よ、国家の安泰の
ため、民の生活を守るために今まで以上に頑張ってくれ






はは〜っ!
ありがたき幸せ〜










劉備様は皇帝陛下に大変気に入られ、相談を受けたりするほど
信頼を得ます。このころ皇帝陛下は曹操を疎んでいました
曹操を暗殺しようと考えていたのです。そして劉備様にも
その計画に加担するようにと密勅が届いたのです










曹操に助けてもらった事には感謝しておる、が、
今の朕はまるで曹操の操り人形のようじゃ!
曹操の権力は日に日に強くなる一方。このままでは
我が漢帝国は曹操に乗っ取られてしまう!





【董承】最近の曹操の横暴は目に余るものがあります
漢帝国の秩序を取り戻すために・・・もはや曹操は不要!
曹操を早急に始末するべきです






ふむ。それで、集まったのか?
国を憂う忠義の士は集まったのか?






【董承】馬騰、王子服など7名が参加してくれました







【伏完】そして必死の説得の結果
劉備も今回の計画に加わってくれましたぞ






何と劉備もか!
しかし劉備は曹操と仲がいいはず・・・





【伏完】彼は中山靖王の末裔を自称していることからも
わかるように漢帝国に強い愛国心を持っています
粘り強い説得の結果、劉備も納得してくれました
劉備三兄弟が加われば小数とはいえ鬼に金棒です






う、うむ。後はお主らに全て任せたぞ
絶対に曹操に感づかれてはいかんぞ!











劉備様、ずいぶんと
危険な計画に加担しましたな!





今までの曹操との関係もあり、相当苦慮したようです
こうして劉備様は曹操暗殺の計画に協力することに
なったのですが、そんな時、劉備様のもとに曹操から
「2人きりで飲もう」と酒席の招待状が届くのです






ば、ばれたんですかね?






劉備様も「計画が露呈しているのでは?」と
恐怖を感じつつ、大雨が降る中、曹操と2人で
酒を酌み交わす事になったのです










(い、いきなり酒席の誘い・・・まさか暗殺計画が
ばれていて私をこのまま殺す計画なんじゃないだろうか)
こ、これは美味いお酒ですね曹操殿






はっはっは極上のものを用意した。もっと飲みたまえ
ところで劉備殿、君は漢帝国についてどう思う?





え、漢帝国ですか?今、漢帝国の力は衰えておりますが、
今ならばまだ建て直せます。中山靖王の末裔・劉玄徳が
漢帝国の復興、成し遂げてみせますよ





見解の相違というものは面白いものだな。ふふ、この話は
これぐらいにしておこうか。これ以上話しては曹操は漢帝国に
謀反の気があるなどと噂を流されてしまうかもしれん






・・・






話は変わるが劉備殿、君は
「英雄」というものについてはどう思う?






「英雄」ですか?







うむ。君も今まで多くの英雄を見聞きしてきたであろう
当代の英雄とは誰か、酒席の戯れとして語ろうではないか






(今までの会話の内容から計画はばれてないっぽいし
劉備玄徳自身も警戒されているような感じは無いな)
そ、そうですね袁紹や袁術などはどうでしょう





ふっ、名門の座にあぐらをかく馬鹿と何の考えも無しに
皇帝を名乗った大馬鹿か。あんなものは英雄とは言えぬ
そのうちこの曹操が滅ぼしてみせよう。他には?






荊州を守る劉表や日の出の勢いで「小覇王」と
呼ばれている孫策などはどうでしょうか





荊州は現在、戦渦に巻き込まれておらんから劉表のような
小物でも統治できているにすぎん。孫策か・・・たしかに
勢いはあるがまだまだ小さい。曹操の相手では無いな
他には?






(だ、誰が正解なのかさっぱりわからん・・・)
なれば劉璋や張繍、張魯なども英雄とは言えませんか?





言えないな。世の英雄と言われている者達もなんだ小物
ばかりではないか!そもそも英雄とは大志を抱き、どんな
事にも備えられる計を持ち、行っては怯まず時代に遅れず、
天地の理を知り、万民の指揮に望む者でなければならん






い、今の世にそんな人物がおりましょうか?







君と余だ!







(ちょ、なんか知らないけどもの凄い警戒されてる!
まずい、ここは逃げるが勝ちと見た!)





ゴロゴロゴロ・・バリバリ!






うわっ、雷が怖い!(棒読み)
に、逃げろ〜(棒読み)
そ、曹操殿さよなら〜!





な、なんだその不自然な逃げ方は!?
ま、まだ話は終わって無いぞ!
待て、待て劉備〜!











むぅ、これは上手い逃げ方ですな!






そ、そうですかね?
とにもかくにも劉備様は雷の音に驚くという
演技で曹操の警戒心を解くことに成功(?)します
そして翌日・・・










不肖、玄徳、勝手に皇帝を名乗り漢を混乱させている袁術を
許してはおけません・・・ので今から袁術の成敗に行って
まいります!そ、曹操殿さよなら〜!





な、なんで突然出立するのだ!?
なんか二度と帰ってこないような気がするぞ!
待て、待て劉備〜!











むぅ、つくづく上手い逃げ方ですな!






そ、そうですか?
とにもかくにも劉備様は曹操のもとを離れ
徐州に戻りました。今回はここまでです
次回は袁術討伐と曹操との対峙です














【簡単な説明】
皇帝と謁見した劉備は皇帝に大変気に入られる。この頃皇帝は
曹操を疎ましく思っており、曹操暗殺の密勅を部下に出していた
(劉備さんもこれに参加)この計画が曹操に露見することを恐れた
劉備さんは袁術討伐の名目で曹操のもとを去った




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