■袁術討伐戦

前回、曹操暗殺の計画に参加した劉備様。この計画が
曹操にばれているのでは、と思った劉備様は袁術の
討伐を目的に曹操のもとを離れ徐州ることにしたのです

ところでなんで袁術を討伐するんですか?
猿だからですか?

前回、曹操が一言だけ語っていましたが、袁術が皇帝を名乗る
事件があったのです。ひょんな事から袁術は伝国の玉璽を手に入れ、
それだけを根拠に皇帝を名乗ったのです。勿論、世間からは非難轟々
劉備様はこれの討伐に向かったのです
■袁術さんの憂鬱

・・・何故だ、何故、
みんな朕のもとから去っていくのだ

五公五民の税率を九公一民に大幅に上げたり
米農家に米作りをやめさせバナナ農家に転向
させた事、他にも色々と民に負担をかけたことが
原因ではないかと・・・

・・・くっ、誰も朕というものの凄さに付いて
これなかったということか。こうなれば最後の手段だ
兄貴(袁紹)のもとに行くぞ。玉璽を渡すと言えば
兄貴も断りはすまい。さぁ準備しろ紀霊!

えっ、あ、御意!

皇帝を名乗った袁術は自分の贅沢のために税率を
あげたり、暴政を敷いたので農民や部下がどんどん
袁術のもとを去ってしまったんですね

それで袁紹のところに
逃げようという事ですか

ええ、そして袁術が袁紹のもとに
逃げようとしているという報告を聞いた
劉備様は袁術討伐の軍をあげます

ええぃ、全然進まないではないか!
もっと早く進むことはできんのか!

そう申されましても、陛下の一族だけでも数百人の
規模になりますし、宝物を積んだ車も何台もありますので
これ以上の速度は出せません

ぬぬぬ・・・
・・・ドドドドドド!

ぬ、何の音じゃ!?
非常に嫌な予感がするぞ!

偽帝・袁術は何処だ!

兄者、あそこだ!
おらぁ、袁術出てこいや!

あわわ、紀霊、朕を守れ!
あの不埒な連中を何とかしろ!

御意!陛下は今のうちにお逃げください!
さぁ、袁術陛下最強の猛将・紀霊が相手をするぞ!

てめぇみてえな雑魚に用は無ぇ!
ズバッ

ざ、雑魚扱いとは報われない・・・
陛下、紀霊はお先に失礼いたしまする・・・

袁術軍総大将・紀霊、張益徳が討ち取った!
次はどいつじゃい・・・てか袁術は何処行った!

今の一騎打ちの間に逃げられた!
捜すんだ、袁術を逃がしては元も子もないぞ!

どさくさにまぎれて逃げ出した袁術でしたが劉備様の
軍だけでなく盗賊などからも狙われてしまい、袁術軍は
壊滅。袁術はたった一人の側近とともに徒歩で逃げることに
なりました。そして・・・

ぜぇ、ぜぇ、皇帝である朕が何故このような目に・・・
み、水、いや、蜂蜜水が飲みたい

【袁術の側近】お、袁術様、あんな所に民家がありますぞ!
すぐに水を持ってこさせますので、少々お待ちくださいね
これ、袁術陛下が水を所望されておる。とっとと持ってこい!

【農民】・・・袁術・・・陛下?

【袁術の側近】そうだ、袁術陛下がわざわざこの村を
訪ねてくださったのだ。陛下は喉が渇いたと申されておる
今すぐ水を持って・・・
ガシャ

ああっ、き、きさま、何故、
水瓶をひっくり返す!
どういうつもりだ!

【農民】お前に飲ませる水なんて無ぇ!
お前の暴政のせいでワシらは全てを失ったんだ!
これ以上、お前にやるもんなんて無いぞ!

・・・み、水一杯ももらえぬほど民の心は
朕から離れていたというのか!ち、朕は・・・
うう・・・げ、ゲボボボボボ(大量の吐血をする)
む、無念じゃ・・・

悪いことをすると良い死に方できないんだなぁ・・・
まぁ普段から信用第一、誠実一路をモットーに生きてる
私には関係の無い話ですがね

・・・あなたは誠実という言葉の意味をもう一度考えたほうがいい
とにもかくにも野望多き男・袁術は絶望のうちに世を去りました
その後、劉備様は久しぶりに徐州に戻ります。そこで事件が
起こるのです

休まる暇がありませんな

乱世に休息は無いのですよ。劉備様が袁術討伐に言っている間、
徐州は曹操の部下の車冑(しゃちゅう)という男が管理して
いました。その車冑のもとに劉備様暗殺の指令がきたのです

【車冑】ふむ、劉備を暗殺しろと言うのか
してその理由は?

【曹操の部下】はっ、現在調査中で未確認ですが、劉備が何かの
謀略に加担し、曹操様を落としいれようとしているようなのです
加えて劉備は今後、曹操様のために働くとは思えぬ、との
上層部の判断でござる

【車冑】あいわかった。徐州の豪族、陳登(ちんとう)殿に
相談し、適当な理由をつけて劉備を始末いたすと曹操様に
伝えられよ

人徳の誉れ高い劉備様を暗殺しようとは!
何という連中ぜよ!

その人徳の誉れ高い劉備様も
曹操を暗殺しようとしていたんですけどね

・・・リ、リュウビサマノアンサツハキレイナアンサツ

・・・この計画ですが、車冑から相談を持ちかけられた陳登が
関羽、張飛に密告し、露呈します。この陳登という人はあまり
目立ちはしませんが、呂布騒動の時も活躍するなど劉備様の
重要な支援者の一人だったんです

ほうほう

陳登から話を聞いた関羽と張飛は劉備様に報告せずに
逆に車冑を始末してしまいます。これにより劉備様と
曹操の関係は決裂します。そして劉備様は・・・

むぅ、これはまいった・・・せめて一言、私に相談があれば
車冑を殺さず捕縛するぐらいで何とかできたものを・・・
今、曹操に攻められたらひとたまりもないぞ!


【関羽】むしゃくしゃしてやりました。反省しております
【張飛】むしゃくしゃしてやった。反省はしていない

むぅ・・・益徳だけ罰として当分おやつ抜きだ。陳登、
何か良策は無いか?このまま座して死を待つわけには
いかん!

【陳登】今、曹操の勢いに対抗できる人物は北方を
制している袁紹しかおりません。袁紹のもとに助けを
求め、袁紹を動かし曹操に当たらせる。こうして時間を
稼ぎ、その間、我々はこの徐州で力を蓄えるのです

私はこの前、袁術を討伐したばかりだぞ!?
袁術の兄の袁紹が私を許すとは到底思えぬ

【陳登】袁紹は実に現実的な判断を下す人物です
加えて私は袁紹が尊敬しているテイ玄という人物と
親しくしております。その人物にとりなしてもらい
ましょう。さすれば袁紹は必ず動きます

むむむ、他に策も無い状況で悩んでいる時間は無いか
すぐにテイ玄殿に使者を送り、その後すぐに袁紹の
もとに使者を向かわせるとしよう

この件をきっかけに劉備様は完全に独立。曹操と袂をわかち
天下を狙う群雄の一人になったのです。そして陳登の策が
見事に決まり、天下を狙っていた袁紹は劉備様と同盟を
組む事になりました。今回はここまで
【簡単な説明】
前回、曹操暗殺の密勅を受けた劉備。しかし監視の厳しい都で
曹操を暗殺するのは不可能に近かった。そこで劉備は一旦、袁術討伐の
名目で曹操のもとを離れた。袁術討伐を果たしたまではよかったが、
次第に曹操との仲は悪いものとなり、ある事件をきっかけに両者の仲は
完全に決裂した
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